4 仮想通貨はいつが買い時なのかという話

 結論から言えば、仮想通貨の買い時など、誰にも分かりません
 2017年には、億を稼いだ「億り人」が数多く生まれたと言われています。憶測ですが、売買を重ねて達成した人よりも、早い時期に安値で買って保有していた、という人の方が多かったのではないでしょうか。

 仮想通貨の取引所にはチャートが出ていますが、あまり役に立つインジゲーター(MACDとか)は無いように思います。

 また、仮想通貨にはその信用を裏付ける国家等発行機関がないため、ファンダメンタル(財務など基礎情報)についてもはっきりした基準がないと言われています。

 仮想通貨そのものの価値を計りかねているというのが現状ですので、金融の専門家の間でも、ビットコインですら、その将来価値の予測は千差万別です。

 はっきり言えることは、少なくともこれまでの間、仮想通貨は長期的には右肩上がりであることから、下値支持線を下回ることはほぼ無いと仮定できます。その仮定に基づけば、下図のような線を引いてみて、その線上の額になった時が買い時と言えるかも知れません。

 では、いつそんなに安くなるのか。
 それは、どこかの国で仮想通貨を規制するとか、取引所がハッキングされたとか、そういったネガティブニュースが出たときです。できるだけ損をしたく無い人は、ジッと機をうかがうのも良いかも知れません。ただし、そのときの下値が今の相場よりも安いという保証もまた無いのです。今のところ、右肩上がりですから。

 

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(上から順に楽観シナリオ、オーソドックスシナリオ、悲観シナリオの線です。)

 

3 取引所での売買方法の種類の話

 取引所での売買方法には以下の種類があります。

  1. 販売
     取引所とユーザーとの間で、売買します。外貨両替所と同じで、市場価格より安くしか売れず、高くしか買えません。(その差分が取引所の利益になります。)

  2. 取引
     ユーザー間で、売買します。取引が成立するごとに、取引所に手数料を支払います。販売よりは、安く買え、高く売れます。

  3. FX(証拠金取引
     一定の証拠金を取引所に差し入れ、ユーザー間で、その数倍以上の売買を行います。レバレッジ取引などとも言います。例えば、10倍のレバレッジをかければ、100万円の証拠金で、1000万円分の売買を行うことができます。利益・損失は、売買時と決済時の差金分となります。つまり、100万円の証拠金で1000万円分買って、1500万円で売れば(決済)500万円の利益を得ることができます。
     すごいですね。2017年のような爆上げ時には一攫千金を狙えます。
     しかし、最大手のBitflyerでもシステム処理能力が脆弱で、乱高下したときは、注文が通らない、時間差で重複して注文が発信されるなどの問題が頻発しますので、最終的には損失を抱える可能性が高いと心得ましょう。(おまけに証拠金不足分を、追加請求されることすらあります。)
     証拠金取引をしたいのであれば、システムがしっかりしている株か外貨FXをお勧めします。

    私のおすすめは、「2.取引」です。

2 通貨名は紛らわしいので気をつけようという話

 取引所では、通貨は当たり前のように略称で表示されます。

 通貨名やその略称は、結構勘違いしやすいので、注意が必要です。以下、タイプと例を紹介します。

 

  1. 略称が複数ある
     ビットコインの略称は、BTCまたはXBTです。
     ゼムの略称は、XEMまたはNEMです。

  2. 同じ略称が使われている
     ビットコインキャッシュの略称は、BCHかBCCです。しかし、BCCは、ビットコネクトという取引所(もう閉鎖されました)では、ビットコネクトという全く別の通貨の略称として使われていました。

  3. 綴りから推測される略称が、実は別の通貨である
     リップルの略称は、XRPです。REPという略称は、Augerという通貨のものです。
    (元々、Augerはプロジェクト名で、そのプロジェクト内で使われる通貨が「Reputaion」という名称らしいです。)

  4. ハードフォーク(派生)した通貨であるため、名前が紛らわしい
     ビットコインビットコイン何とか(ビットコインキャッシュ等)は、全く互換性がありません。名前が似ているだけの別の通貨です。
     同じように、イーサリアムイーサリアムクラシックも互換性がありません。

1 仮想通貨取引所に口座開設を申し込もうという話

仮想通貨は、基本的に取引所で売買します。

仮想通貨取引所は、世界中にありますが、最初は日本国内の事業者にした方が安心です。日本語での取引に慣れたら、海外の取引所を試してみるのも良いでしょう。

取引所を選ぶときは、自分の欲しい通貨を扱っているかどうかで判断しましょう。

取引所のセキュリティレベルは、証券会社や外貨FXのそれに比べると、まだまだ低水準です。仮想通貨交換業者として金融庁に登録していたとしても油断はできません。

「取引所で買った通貨は、すぐに自分のウォレットに移動して保管する」

このことを忘れないでください。

取引所への申し込みから取引開始の流れは、大体以下のとおりです。

 

  1. ネット上から申し込みフォームを送信する
     このとき、身分証明書の画像のアップロードも必要です。
     免許証の場合は両面を、パスポートの場合は、写真ページと住所(所持人が自分で記入)ページを送りましょう。

  2. 審査結果を待つ
     メールで審査結果が送られてきます。身分証明書の写真等が不鮮明だったりすると再送を求められます。

  3. 葉書を受け取る(業者によって多少異なる)
     口座開設完了の葉書が送られてきます。中に印字された記号番号をサイトのアカウントページに入力すると、取引できるようになります。

  4.  2段階認証を設定する
     大事なお金を預ける場所です。ログインパスワードの他に、2段階認証を設定しましょう。
     取引所がハッキングされた場合は、補償される可能性がゼロではありませんが、ログインパスワードをハッキングされたときは、自己責任で片付けられてしまいます。
     GoogleAuthenticator(Google認証)が認証方法となっている場合は、「Authy」を使った方が便利です。Google認証はバックアップが取れないため、アプリを入れたスマホを無くした時に大変だからです。

    natsthedog.hatenablog.com

     

  5.  入金する
     最初に入金するときは慎重に。入金方法の説明をよく読みましょう。業者によって異なりますが、振込者名に記号をつけるといったルールを守らないと、入金が反映されなかったりします。

4 ビットコインが凄いのではない。凄いのはブロックチェーン技術という話

 ビットコインは、マネーのコントロールを、政府や銀行などではなく、ネットワークに参加するコンピュータの分散処理により行おうというアイディアから、生み出されました。

 簡単に言えば、現在銀行などよりもより安く、より早く送金できることがビットコインの目標でした。

 しかし、ビットコインの取引量が多くなった現在では、手数料は高くなってしまい、送金スピードも遅くなってしまいました。

 ビットコインは、これからも仮想通貨のゴールドとして、中心的な存在であり続けるでしょうが、流通手段としての役割は、他の通貨に譲ることになりそうです。

 

 現在では、革新的だったのは、ビットコイン自体よりも、それを支える「ブロックチェーン技術」だと考えられています。

 「ブロックチェーン技術」とは、1枚毎の帳簿のコピーを世界中のコンピュータで保存し、帳簿と帳簿のページを繋ぎ合わせると分厚い1冊の帳簿になるようにしましょうというアイディアです。(この帳簿はその通貨の取引が続く限り、延々とページが増えていきます。)

 帳簿の1枚毎のコピーは世界中のコンピュータに保存されているので、失われる危険性はまずありませんから、安全です。

 「だけど、帳簿のページを偽造されて、差し替えられちゃったらどうするの?」

 そういう疑問が出てきますね。それが出来てしまっては、このアイディアは成立しません。

 ここで暗号技術の登場です。ブロックチェーン技術では、暗号技術を使って、帳簿の各ページが正しくつなげており、その一部を改ざんするには、複雑な暗号計算をしないといけないので、事実上それが不可能となっているのです。

 つまり、ブロック(1枚ごとの帳簿)を堅牢なチェーン(綴じ紐)で繋いでいる、というのがブロックチェーン技術の簡単なイメージです。

 

 「なるほど、だったらブロックチェーン技術は、通貨の取引履歴だけじゃなくて、あらゆる帳簿や台帳に応用できるんじゃないの?」

 

 そのとおりです。ブロックチェーン技術により、今まで帳簿や台帳で管理されていた情報を分散管理することができます。

 実際に、食品や薬品のトレーサビリティ(産地から消費者までの流通経路の確認)、不動産登記、信用取引(手形・小切手)など、様々な活用プロジェクトが始まっています。

3 仮想通貨には様々な個性があるという話

 「イーサ(イーサリアム)」、「リップル」、「ゼム(ネム)」等のアルトコインは、ビットコインの単なる模倣ではありません。

 

 「イーサ」は、「イーサリアム」というプラットフォームで使われることを想定した通貨です。「イーサリアム」の目的は、ブロックチェーン技術を使って、スマート・コントラクト等を実現することです。

 「スマート・コントラクト」とは、様々な契約を、紙や第三者を介さずにネットワーク上で完結させようというアイディアです。証人は、ブロックチェーン技術により残された記録です。契約の履行の際の代金等の支払いには「イーサ」が使われます。

 イーサリアムは、ヴィタリック・ブテリンという人物が19歳の時に考案したもので、今もその世界の中心にいます。

 

 リップルは、リップル社が作った通貨で、同社が提供する即時決済システム、送金ネットワーク内でのブリッジ通貨等として使われます。ブリッジ通貨とは、例えばイラクの通貨ディナール南アフリカの通貨ランドに両替したい時、ディナールリップル→ランドと、両通貨の中継役として使われる通貨です。

 リップル社は多くの大手企業とパートナーシップがあり、今後も成長が期待できます。

 しかし、リップル社が成長したら、「リップル」の価値も絶対に上がるとは断言できません。

 

 「ゼム」は、「ネム」コミュニティ内で使用される通貨です。「ネム」は、有志が集まり開発されました。マルチシグというセキュリティを実装し、POIと呼ばれる独特のマイニング(ネムでは、ハーベスティングと呼ぶ)方法をとっています。

 ネムは、一部の者が富むのではなく、コミュニティ全体が豊かになることを目指しており、その思想に共感する人から強く支持されています。

 その一方で、スーパーノードと呼ばれる大口保有者とそれ以外の保有者との富の差が拡大していくのでは、という懐疑的な意見もあります。

 「ネム」は、カタパルトという技術が実装される計画があります。これによって、飛躍的にネットワークパフォーマンスが向上することが期待されています。

 

 他にも、匿名取引を追求する通貨等、個性的な通貨が多数あります。

2 ビットコインだけが仮想通貨ではないという話

 仮想通貨の元祖は、「ビットコイン」です。
 現在では、ビットコインのアイディアにインスパイアされた多くの仮想通貨が使用されています。それらのまとめて「アルトコイン」と呼んでいます。
 アルトコインの代表格が「イーサ(イーサリアム)」です。その他有名なものとして「リップル」、「ゼム(ネム)」等があります。アルトコインは千種類以上あり、今も日々増加しています。
 最初のうちは、仮想通貨には「ビットコイン」とその大勢の「アルトコイン」があると覚えておきましょう。
 ちなみに、仮想通貨は、英語では「CryptoCurrency」(暗号通貨)と言います。誰が和訳したのか分かりませんが、「仮想」という言葉が、仮想通貨に怪しいイメージを与えているように思えます。(このブログでも仮想通貨と言いますが)